光触媒コーティングについて
住宅や公共施設、オフィスなど、私たちの周囲には目に見えない細菌やウィルスが無数に存在しています。最近では抗菌・抗ウィルスが可能な光触媒コーティングへ注目が集まっています。ここでは、光触媒コーティングの基本情報やメリット、デメリット、専門業者などについてお伝えしましょう。
光触媒コーティングとは?
最近、マスコミなどで光触媒コーティングという言葉を耳にしたことはありませんか?光触媒コーティングとは、二酸化チタンという物質を主成分として作られた塗料のことです。施工する際は、液状のコーティング剤を塗布します。
太陽光や蛍光灯の光が、光触媒コーティングを施した場所にあたることで酸化還元反応が発生し、付着した細菌やウィルスなどの有害物質を、水や二酸化酸素などの無害な物質に分解し不活性化するのです。二酸化チタンは化学変化を促進させるものの、それ自体は変化しないため、半永久的に酸化還元反応を繰り返します。
また、厚生労働省が食品添加物としての使用も認めていて、食品はもちろんのこと、歯磨き粉、化粧品などにも含まれています。万が一、小さい子どもが口に入れてしまったとしても健康上の被害は発生せず、安心して使用できるのが特徴です。
また、光触媒コーティングは、抗菌・抗ウィルス以外に防汚、防カビ・防菌にも効果を発揮します。二酸化チタンは光を受けることにより、汚れを防ぎ、菌の繁殖も抑制するため、水回りなどのカビ菌が繁殖しやすい箇所にコーティングしておくことで、日常のお手入れを楽にしてくれます。さらに、太陽光の当たる建物の外壁にコーティングしておくと、排気ガスを分解して空気を浄化し、雨だれなどによる汚れも防いでくれるでしょう。
そのほか、光触媒コーティングには防臭効果もあります。においを吸着させたり、ほかの香りで誤魔化したりするのではなく、においそのものを分解するため、防臭剤などを使用するよりも高い防臭効果を発揮します。生ごみ・たばこ・ペットのにおいなど、室内の嫌なにおいの除去は、光触媒コーティングに任せしましょう。
光触媒コーティングを行うメリット
光触媒コーティングを行うメリットとしては、以下の3つが挙げられます。
衛生面の効果
光触媒には有機物を分解する作用があり、細菌やウィルスのような有害物質を分解・無害化することが可能です。そのため、人が頻繁に触れる部分に光触媒コーティングを施しておけば、抗菌・抗ウィルス効果を発揮します。
また、空気中に浮遊している有害物質もコーティング部分に触れることで不活性化されるため、室内全体にコーティングしておくことで、室内の空気が浄化されます。光触媒コーティングは感染症対策に有効といえるでしょう。
消臭効果も光触媒コーティングの特徴の1つです。光触媒は、アセトアルデヒドやアンモニアなどの悪臭物質を分解除去してくれます。生ごみやたばこ、カビなどの嫌なにおいの消臭に有効なので、キッチン・玄関・トイレなどのにおい対策として使用するとよいでしょう。
さらに、光触媒コーティングを塗布することにより汚れが付きにくくなり、落ちやすくなるという防汚効果も期待できます。外壁に光触媒コーティングを施工しておけば、雨水によって自動的に汚れが落ちるセルフクリーニング効果が見込めます。メンテナンスの負担が減るのは大きなメリットといえるでしょう。また、カビの発生を抑える効果もあるため、浴室などカビが生えやすい水回りへの施工もおすすめです。
あらゆる場所へ施工可能
光触媒コーティングは、いまや住宅・商業施設・宿泊施設・オフィス・飲食店・バス・タクシー・遊園地など、さまざまな場所に導入されています。基本的に屋外・屋内どちらにも施工することが可能です。
光触媒コーティングの主成分である二酸化チタンは、食品添加物にも使用される人体に悪影響のない物質のため、保育園や幼稚園、介護施設などへの導入事例もあります。壁・天井・トイレ・ガラス・家具・カーテンなど、基本的に建物内のあらゆる場所へコーティング可能です。コーティング剤は無色透明のものを使用することが多く、施工場所の色は気にしないで問題ありません。
長期的な効果の持続
光触媒コーティングの主成分である二酸化チタンは、化学反応は促進させても、それ自体は変化しません。塗布したコーティング剤が剥げない限りは、半永久的に効果を発揮し続けることになります。
そうはいってもコーティングしているだけなので、3~4年に1回の定期的なメンテナンスは必要ですが、数年単位でメンテナンス不要というのは大きなメリットといえるでしょう。
光触媒コーティングを行うデメリット
光触媒コーティングのデメリットとしては、コーティングにかかるコストが挙げられます。たとえば、住宅を建てる際に、光触媒コーティングを行うなら別途費用が発生します。
ただし、一度コーティングしてしまえば数年はメンテナンスが不要となるので、後で発生するメンテナンスコストを考慮すると、費用対効果は高いといえるでしょう。
光触媒コーティングは専門業者に依頼するのがおすすめ!
光触媒効果を取り入れたコーティング剤は市販されているため、専門業者に依頼せず、自分で購入してコーティングすることも可能です。コーティングスプレーをよく触れる場所に吹き付けて乾燥させます。
すると光触媒のコーティング層ができ、抗菌・抗ウィルスや空気浄化、脱臭、防汚効果などを発揮してくれます。壁、天井、床はもちろんのこと、カーテンなどの布製品や家電製品にも使用できるので、アルコール消毒代わりとして使用してもよいでしょう。
ただし、生活環境を衛生的に整えるために施工場所が多岐にわたる場合は、コーティング剤を大量に購入する必要があり、その分費用がかさむことになります。また、作業に慣れていないと塗装にムラができてしまうことも多いため、コーティングの効果を長期間にわたって最大限に発揮させたい場合は、専門業者に依頼するのがおすすめです。
光触媒コーティングの料金は専門業者によって異なりますが、一般的に床面積によって料金設定されていることが多いです。複数の専門業者に見積もりを出してもらい、対応や料金などを比較してから決めるのがよいでしょう。
まとめ
光触媒コーティングの基本情報やメリット、デメリット、専門業者などについて説明しました。光触媒コーティングを施工するだけで、衛生的な生活環境を維持し、みんなが安全で快適に暮らせる空間に変えることができます。光触媒コーティングの導入を検討したい人は、まずは専門業者に問い合わせてみてください。