光触媒コーティングの上から塗装できる?外壁や屋根の再塗装について解説

公開日:2023/01/15


光触媒コーティングとは、光に反応して汚れなどを分解する光触媒の塗料を使って塗装することです。外壁や屋根の塗装に使用することで汚れが付きにくくなり、修繕などのコストが軽減される効果があります。この記事では、光触媒コーティングの上から塗装ができるか、さらに外壁や屋根の再塗装が可能なのかについて解説します。

光触媒コーティングの上から塗装するのは難しい

光触媒塗料は密着が悪いため、再塗装には注意が必要です。光触媒コーティングの上から塗装するのはかなり難しいとされています。なぜなら、光触媒塗料はさらっとしていて粘度があまりありません。塗ると垂れやすく乾くのも遅いといわれています。

また、ほかの塗料に比べて天気や気温に左右されるのも難しさのひとつです。注意点が多く高い技術や専門性が要求されるため、以前は認定施工店制度というものがあり、塗料を扱う業者が限られていました。施工する職人によっても違いや、効果が軽減してしまう可能性などもでてきます。

このように施工された光触媒コーティングの上に、さらに塗装することはもっと高い技術が必要となり難しいことです。光触媒塗料の耐用年数は、約16年から22年ほどと長く、一般的に使われているシリコン塗料は10年ほど、フッ素塗料は15~20年ほどといわれるため、かなり持続性があります。上から塗装することが難しいことならば、最初から光触媒コーティングしておけば、塗装の回数を減らすことも可能です。

ただし、建物の立地条件や天気の変化によって耐用年数も変わってきます。雪が降る地域では、冬に日光が当たりづらいということも考えられるため、再塗装の頻度が高くなる可能性があるでしょう。

光触媒コーティングの見分け方

パッと見ただけでは、光触媒コーティングがされているか専門家であってもわかりません。光触媒だけではなく、何か特殊な処理をしている場合や施工前に使用している塗料との相性が合わないということもあるため、ある程度の調査が必要になり、実施するのが当たり前となっています。実際に行っている見分け方の調査は聞き取り調査と塗装のふき取り調査になります。

聞き取り調査

家を建てたときや外壁などの修繕工事をしたときなど、過去に特殊な塗料を使って処理をしていないか、最初に聞き取りをします。塗料の種類はさまざまで、一般的に使われているのがアクリル塗料やウレタン塗料となっています。シリコン塗料、セラミック塗料、フッ素塗料もあります。フッ素塗料などは光触媒と相性が悪く塗料が密着しにくいため、再塗装にはさらに注意が必要です。

塗装のふき取り調査

聞き取りをしたあと、実際に手で触ったり目で確認したり調査します。ラッカーシンナー(強溶剤)を用い、施工前のコーティング剤をふき取り判断します。ここでも高い専門性が求められることになるでしょう。

光触媒コーティングの再塗装は可能

以前は光触媒コーティングの再塗装は難しく不可能に近いといわれてきました。原因は光触媒と塗料の密着が非常に少ないため、剥がれてしまうからです。しかし、光触媒専用の下塗り材を使用することにより上塗り塗装、再塗装が可能になりました。下塗り材は無色や白色なので目立ちません。浸透性や吸着力もあり汎用性も高く光触媒コーティングにはかかせないものとなっています。

さらに上塗り材を塗装することで問題なく再塗装が可能になりました。雨や風で汚れを受けやすい建物の外壁は、劣化が進むのも早くメンテナンスが必要です。光触媒は塗料の原料である酸化チタンが、日光や紫外線で汚れを分解します。そのあとに雨を利用して落とすというセルフクリーニング機能があるのです。劣化の原因となるものを防ぐことで持続期間も長くなっています。

さらに塗料を塗った場所に日光が当たると空気中の排気ガスや化学スモッグなどを除去し空気をきれいにする作用もあります。ただし、建物の近くに大きな木があったり、隣家との距離が近かったりなど日光が当たりづらい場所があると効果が出にくいといえるでしょう。

また錆や砂などによる汚れは光触媒では分解されません。再塗装をしても同じです。以前に比べて再塗装は可能になりましたが、作業工程も一般的な塗装より多くコストがかかり、塗料も高いということも覚えておいてください。

まとめ

光触媒コーティングの上塗り、再塗装について解説しました。光触媒コーティング自体が専門の業者でも難しいことや、さらに再塗装となると注意が必要になります。しかし下塗り材の登場によって難しかった再塗装が可能になりました。光触媒塗料は汚れを防止する効果や耐久性も高くセルフクリーニング機能という特徴があります。塗るだけで空気をきれいにすることも可能です。家を建てたり、外壁の修繕をしたりすることは何度もありません。光触媒は高価なものですが、家の環境をきれいに整えたい方は検討してみるのもよいのではないでしょうか。ぜひ参考にしてください。

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